ひとつひとつ手彫りで手作り。 淡路島の土が切り文字になるまでの全工程をご紹介いたします。
瓦の産地淡路島は瓦づくりに適した良質の土が採れます。
採掘された3種類の土は、耐火度、粘り、収縮、きめ細かさなどを考慮して4種類の粘土にブレンドされます。
ばさら工房では、その4種類のうち、粘りの強い粘土を使って切り文字を制作しています。
【練る】
土に水を加え、固さを調整します。
水を含んだ土を土練機に入れ、真空ポンプで土中の空気を抜きます。
土練機から板状で出てきた粘土を、さらに2回、3回と土練機にかけて練ります。
【寝かし】
練った土を2,3日寝かせて粘りを出します。
再度土練機にかけ、板状にします。
【写す】
文字や家紋の図案を、板状の粘土に手書きで写します。
【荒彫り】
数種類の金ヘラを使いわけながら、粘土に写した図案を彫っていきます。
【寝かし】
細部を美しく仕上げるにはある程度の固さが必要です。
荒彫り後は布で覆い、1日~2日、適度な固さになるまで寝かせます。
【磨き】
適度な固さになったら、金ヘラで一つ一つ表面を滑らかに仕上げてゆきます。この工程を磨きといいます。
【乾燥】
土の水分が抜けるまで完全に乾かします。
【窯詰め・焼成】
窯に詰めて焼きます。
しっかりと強度を出すため、すべて1000度以上の高温で焼成しています。
酸素の量を加減しながら、狙った発色に焼き上げてゆきます。
酸素の量を多くする(素焼き・酸化焼成)と赤っぽい色に、酸素の量を減らす(還元焼成)と茶~黒に発色します。
【自然冷却】
しっかり温度が下がるまで、窯に詰めたまま冷まします。
ばさら工房の製品の色は、土そのものから引き出した自然な焼き色です。
着色は一切していません。
土に含まれる鉄分の量、焼きの温度と酸素の量を加減のみでカラーバリエーションを出す。
ばさら工房のこだわりの一つです。